不動産売却はどこがいい?ベストは大手2社と地元3社
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不動産を売るにあたり、不動産会社選びは最重要事項といえます。ですが、普段から不動産の取引に携わっている人以外は、どの会社がいいのか判断に困ります。
こちらの記事では、不動産の取引に慣れていない方や初めての方に向けて、どの不動産会社に売却依頼すればいいかを実用的な目線を重視して解説します。
ベストな構成は大手2社と地元3社のミックスが最強
不動産を売却するなら、複数社への相見積もりは必須といえます。どんなに仲の良い知り合いの不動産会社があったとしても必ず相見積もりを取りましょう。
更に、売却を成功させるためには「大手不動産会社」と「地元の不動産会社」をバランスよく組み合わせて選ぶことが鍵です。
大手の不動産会社は、その規模とネットワークで広範囲に買い手を探す能力を持ち、地元(地場)の不動産会社は、地域密着型でそのエリア特有の情報に強みを持っています。
この2種類の不動産会社の相見積もりを比較検討することにより、より好条件での売却期待度があがります。
大手不動産会社の提案は手堅い王道
大手不動産会社の最大の特徴は「広範囲に渡るネットワークと安定感」です。全国展開している大手の不動産会社は、ブランド力と豊富な実績に支えられており、売り手としては安定感があります。
逆に言えば、大手の会社の提案はアタリハズレのない王道的であるため、大手同士の提案を比較しても大差がありません。
2社ほどの会社を選定して相見積もりを依頼すれば十分といえます。
地元(地場)の不動産会社の提案は地域密着
地域に詳しい地元の不動産会社の提案も決して無視はできません。地元不動産会社は、その地域に精通しており、地域密着型の提案が得意です。
例えば、地元での物件の需要や価格の変動に精通しているため、地域特有の売却戦略を練ることができます。これは、大手が提供する標準化されたサービスとは一味違い、より物件に合ったアプローチが可能です。
地元・地場(じば)の不動産会社には可能な限り相見積もりを依頼したいところです。各社が持ち合わせる独自の情報がより多く引き出せるためです。
実際には依頼する手間や比較検討する提案内容が多くなりすぎないようにするため、2~4社程度が無難でしょう。
合計5社程度、最低でも3社から相見積もりを取ろう
大手の不動産会社から2社、地元(地場)の不動産会社から3社、合計5社からの相見積もりを取るのが最適といえます。
相見積もりを取って比較することにより、相場感を掴めたり営業担当者の対応を比較することができ、不動産売却が失敗する確率を下げられます。
更には大手と地元の不動産会社を比較することで、所有する不動産に合ったプランが見つかり、不動産売却の成功確率を上げられます。
多くても6~8社程度に抑えよう
多くても6~8社程度にしておかないと、不動産会社から届く連絡の対応に時間をとられたり、提案内容の確認がおろそかになってしまいます。
少なくても2~3社には依頼したい
逆に少なくても2社、できれば3社で相見積もりを取りたいところです。
不動産会社の選び方
不動産会社の選び方、判断基準を紹介します。一番は営業担当者との相性になりますが、自身がどういった点を重要視するかにもよって違ってきます。
営業担当者を見極めよ!
不動産売却において、営業担当者の質が最重要といえます。どんなに優れた不動産会社であっても、担当者の対応次第で結果が大きく変わります。
例えば、経験豊富で適切なアドバイスをしてくれる営業担当者であれば、売却プロセスがスムーズに進むだけでなく、売却価格や条件についても有利な取引ができる可能性が高まります。
逆に駆け出しの新人が営業担当になってしまうと、売却期間が伸びてしまったり、価格が安くなってしまったり、最適な手段を見落としてしまっていたりと不利益を被る確率が高まります。
営業担当者を見極めるためには、以下のポイントに注目しましょう。
- 経験や知識の豊富さ: 過去の売却実績を確認し、どのような案件に関わってきたのかを聞くことで、担当者の経験値を判断できます。
- コミュニケーションの質: 担当者が自分のニーズや要望をしっかりと理解し、それに応じた提案をしてくれるかどうかを見極めることが重要です。
- 誠実さと信頼性: 過度に楽観的な情報を提供したり、無理に契約を迫る担当者は避けるべきです。更には感じのいいだけのイエスマンではなく、時には反対意見を言う担当者が、結果的に信頼できるパートナーとなります。
営業担当者は不動産売却における「ナビゲーター」のような役割を果たします。適切な選択肢の提案や、売主である自身と同じ目線で売却活動を行ってくれる営業担当者を選びましょう。
提案内容を比較検討せよ!
不動産会社を選ぶ際、1社だけに申し込んで決めてしまうのは避けるべきです。必ず複数社の提案内容、査定額を比較してください。
比較することで、より正確な相場感や売却完了までの期間の目安がわかります。
不動産会社の側からみても、他社と比較されることでより質の高い仕事を意識するようになるのです。逆にいえば、1社にしか見積もりを依頼していないことがわかれば、それだけ仕事の質が下がるおそれがあるのです。
比較する際の主なポイントは以下の通りです。
- 査定額の違い: 複数の会社で査定を受け、価格の差異を確認する。複数の査定額を比較することにより、おおよその相場感が掴めてくるはずです。
- 契約内容: 媒介契約の種類や他社との契約の違いも比較しましょう。必要に応じて、一般媒介契約で複数社との契約も視野に入れましょう。
- 売却までの手法:広告の方法、物件の売り出し方など、どうやって買主を探すのかも確認しましょう。
査定額に騙されるな!
高値での売却を重要視するあまり、「査定額」だけで決めてしまわないように注意しましょう。
査定額はあくまで売れるかもしれない金額で、確実にその額で売れるとは限りません。会社よっては契約を取りたいがために、他社とかけ離れた査定額を提示する場合があります。
基本的に相場とかけ離れた金額で売却できるケースはなく、逆に売却期間が長引くことで不利益を被るおそれがあります。
特に注意すべき点は、以下のような場合です。
- あまりにも高額な査定額: 他社と比較して明らかに高い査定額を提示してくる会社は、実際の売却価格と大きく乖離する可能性があるため注意が必要です。
- 金額の裏付けをよく確認する: 査定書にはなぜその額になるのかの裏付けとなる情報が載せられています。場合によっては他社とかけ離れた高額査定だった場合でもしっかりとした裏付けがある場合もあります。例えば、同一マンションの別の部屋を最近取り扱ったなど、具体的な実績がある場合は信用できます。
不動産売却では、価格に目が行きがちですが、それ以外にも「売却の期間」や「似た物件の実績」など、さまざまな要素を考慮することが成功の鍵です。
不動産一括査定サイトを使おう
不動産売却の際に、複数社に相見積もりを取ればいいのはわかりました。でも実際に複数社を一件づつ探して査定依頼をしていくのはかなりの労力です。
そこで便利なのが「不動産一括査定サイト」です。一回の情報入力で、自動的に複数の不動産会社に査定依頼ができます。
ここでは、代表的な不動産一括査定サイトと特徴を簡単に紹介していきます。
大手にも地元にも強い「リビンマッチ」
「リビンマッチ」は、大手不動産会社と地元の不動産会社の両方から査定を受けられる不動産一括査定サイトです。2006年からの運営実績があるとのことで、加盟する不動産会社も多種多様なのがわかります。
リビンマッチの特徴としては、以下の点が挙げられます。
- 大手と地元を同時に比較できる: 大手の安定感と地元の詳細な地域情報を組み合わせた査定が可能
- 長い運営実績: 2006年から運営している古参サイト、個人情報の流出なども無し
- 査定対象物件が多い: 賃貸物件や1棟物件、農地など多種多様な不動産に対応
- 最大6社に査定依頼:ちょうどいい数の不動産会社に相見積もりが可能
リビンマッチを利用することで、最大6社の不動産会社からの査定と提案を受け取ることができるため、効率的な比較検討ができます。
https://www.lvnmatch.jp/
大手のみの「すまいValue」
もう一つ紹介する「すまいValue」は、大手不動産会社に特化した一括査定サイトです。三井不動産や住友不動産など、業界トップクラスの不動産会社のみが参加しているため、大手に絞って査定を依頼したい方には最適です。
売却額や物件に合ったプランよりも、信頼性や安心感を重視する売主におすすめのサイトです。
すまいValueの特徴としては以下の点が挙げられます。
- 大手のみの安心感: 加盟する不動産会社は業界をリードする大手不動産会社のみ、高い実績と信頼性が売り
- 安定したサービス提供: 大手ならではの堅実で着実なサービスと、全国展開のネットワークが強み
- 広範囲のマーケティング力: 広範な広告活動で、短期間で多くの買い手に物件をアピールすることが可能
大手の不動産会社を信頼して任せたいと考えている方には、すまいValueがぴったりです。
https://sumai-value.jp
らくらく不動産査定(アプリ)
「らくらく不動産査定」は、スマホアプリを利用した一括査定サービスです。スマホから簡単に査定依頼ができるため、忙しい方や手軽に査定を受けたい方に向いています。物件情報を入力するだけで、複数の不動産会社からの査定をすぐに受け取ることができる手軽さが魅力です。
らくらく不動産査定の特徴は以下の通りです。
- 手軽なアプリ操作: アプリを使って査定依頼ができるため、お手軽簡単
- 複数の会社からの提案: 物件情報を一度入力すれば、複数の不動産会社からの査定結果が届く
- ストアの審査済み: 単なるネットサービスとは違い、Apple StoreやGoogle Playの審査を通過している安心感
特に、パソコンを使わずにスマホだけで完結させたい方や、複数の不動産をお持ちの方におすすめのアプリです。
一括査定サイトの使い方の注意点
一括査定サイトを利用する際には、便利な一方で注意も必要です。査定額が高い会社が必ずしも良い会社とは限らないため、査定額だけに惑わされず、各社の提案内容をしっかりと見比べることが重要です。
- 査定額に過度な期待をしない: 高い査定額を出す会社が必ずしも最良の選択とは限らない
- 売却スピードと条件を総合的に判断する: 売却のスピードや、会社のサポート体制も併せて考慮することが大切
不動産一括査定サイトをうまく活用することで、より多くの選択肢から最適な不動産会社を選ぶことができ、不動産売却を成功させられるでしょう。
大手の不動産会社の特徴
不動産売却を考える際、特に大手の不動産会社は多くの売主にとって第一の選択肢となることが多いです。大手には長年の実績と知名度、そして広大なネットワークがあり、幅広い売却活動が可能になります。
では、具体的に大手の不動産会社とはどのような企業なのか、またそのメリット・デメリットについて詳しく見ていきましょう。
どこが大手の不動産会社?
日本における大手不動産会社は、一般的に全国規模で展開している企業を指します。代表的な会社には、以下のようなものがあります。
- 三井不動産
- 三菱地所
- オープンハウスグループ
- 東急不動産ホールディングス
- 住友不動産
- 野村不動産ホールディングス
- ヒューリック
- イオンモール
- 東京建物
- ケイアイスター不動産
不動産業界売上高ランキング2024年
https://www.lvnmag.jp/column/real-estate-ranking/30820/
これらの企業は、全国に支店を展開しており、多数の物件取引実績を誇っています。また、独自のネットワークやデータベースを活用して、より多くの買い手候補を見つけることが可能です。広告や宣伝活動にも積極的で、広範囲にわたって物件をアピールできるのも特徴です。
メリット
大手不動産会社には、多くの利点があります。主なメリットとしては、以下の点が挙げられます。
- 信頼性とブランド力: 大手の不動産会社は、その知名度や実績から、売主・買主双方にとって信頼できる存在です。特に不動産取引が初めての人にとっては、大手のブランドに安心感を得られるでしょう。
- 広大なネットワーク: 大手企業は、全国規模のネットワークを持っており、多数の支店や営業拠点を活用して広い範囲で買い手を見つけることができます。これにより、短期間での売却も期待できます。
- 豊富なマーケティング力: 広告や宣伝活動に多くの資金を投じることができるため、物件の露出度が高まり、より多くの買い手にアピールできます。ネット広告やチラシ、パンフレットなど多彩な媒体を活用して販売活動が行われます。
- 専門知識と経験: 多くの不動産取引を手がけてきた経験から、物件の売却に関するアドバイスやサポートも的確です。たとえば、税務に関する助言や法的手続きの支援も行ってくれることが多く、安心して任せられます。
デメリット
一方で、大手不動産会社にもデメリットが存在します。主なデメリットは以下の通りです。
- 両手取引: 両手取引は、売り手も買い手も同じ不動産会社が探して、両方から手数料をもらう取引手法です。中小の不動産会社でも可能な取引ですが、大手だからこそ成立しやすいともいえます。
- 売却に対する柔軟性が低い: 大手の会社は標準化されたプロセスで取引を進めるため、個別の要望に対応しにくいことがあります。たとえば、売却方法や条件の調整において、地域密着型の地元不動産会社ほど柔軟に対応してくれないこともあります。
- 担当者の対応が一律化: 大手では、多くの案件を同時に扱うため、担当者が1つの案件に対して深く関与できない場合があります。これは、売却プロセスにおけるきめ細かい対応が期待しにくいというデメリットにつながります。
大手不動産会社は、その強みであるネットワークの広さや信頼性から、多くの売主にとって魅力的な選択肢です。特に、初めて不動産売却を行う方や、おまかせですべてやってもらいたい方には適しています。
それでも必ず複数社に査定依頼をして、比較検討しましょう。
地元の不動産会社の特徴
不動産売却を検討する際、大手不動産会社だけでなく、地元に根ざした不動産会社も視野に入れるべきです。特に、地元ならではの情報やネットワークを活用した売却が可能なため、所有する物件によっては地元の不動産会社が最適な提案を提出してくる、ということも大いにあり得ます。
では、地元の不動産会社にはどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。
メリット
地元の不動産会社を利用する最大のメリットは、その地域に特化した情報とネットワークを持っていることです。以下のような点が挙げられます。
- 地域に特化した情報力: 地元の不動産会社は、エリアごとの不動産市場に詳しく、買い手のニーズや市場動向を熟知しています。例えば、どの時期に売り出すと高値で売却できるか、地域特有の売却戦略を提案してくれることがあります。
- 柔軟な対応が可能: 地元の不動産会社は、大手に比べて顧客との距離が近く、個別の要望に応じた柔軟な対応が期待できます。売却条件やプロセスの変更に応じやすいため、細かいリクエストにも対応してもらえる可能性が高いです。
- 買い手との直接的なつながり: 地元の不動産会社は、地域のコミュニティに密接に関わっていることが多く、地元の買い手との直接的なつながりを持っています。このため、地域内での売却を希望する場合には、大手以上に効率的に買い手を見つけることができることがあります。
- 片手取引: 売り手買い手の両方を見つけてくることが難しくなるため、自然と片手取引になるケースが増えます。
デメリット
一方で、地元の不動産会社にはデメリットもあります。特に、大手と比べて資源やネットワークの規模が小さいことが影響する場合があります。
- 広告やマーケティングの規模が小さい: 大手の不動産会社に比べて、地元の不動産会社は広告や宣伝にかけるリソースが限られていることが多いです。そのため、全国規模での広告展開や広範な買い手を集める力には限界があるかもしれません。
- 会社の信頼性に注意: 地元の不動産会社は、小規模な場合が多いため、会社ごとの信頼性にばらつきがあります。中には、悪質な営業や不適切な取引を行う業者も存在するため、事前に信頼できる会社かどうかをしっかりと調査することが重要です。
- 全国的なネットワークの不足: 地元に特化した強みがある一方で、全国的なネットワークを持たないため、遠方の買い手に対するアプローチが難しい場合があります。特に、地方の物件を売却する際には、地元の需要に限られる可能性が高くなります。
地元の不動産会社は、地域に密着したきめ細やかなサービスや、柔軟な対応が期待できるため、地元での売却を考えている場合には非常に魅力的な選択肢です。所有する不動産によっては、大手では真似のできない提案も期待できます。